2011年4月10日日曜日

[Reading] 3月読書リスト

イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」安宅和人 (著)
がむしゃらに仕事をしてクォリティを高める道=犬の道であるという定義。そして犬の道を避けよ!という明確なメッセージがストレートに伝わってきた。振り返ってみると入社してからの仕事の中で自分の思い通りに進められず、徒労感を感じた仕事ほど犬の道を地でいくやり方をしていたのだと実感した。
まずはイシューを見つけるために考え抜くことが大切ということが分かっただけでも、本作を手に取って良かったと思う。残念ながらイシューを見つけること、イシュー度の高いアウトプットを実現することは簡単ではない。これからも都度本作を読み返し、実践を積み重ねて体得していきたいと思う。

ハーモニー 伊藤 計劃(著)
体内に取り込まれた人工機関とネットワーク上のサーバによる人体の管理。信じがたいがいまもどこかの人間が考えていそうで恐ろしく、またおぞましいコンセプトだと感じた。その管理された個が当たり前の世界で、なぜその当たり前が実現したのかを主人公の目線から追いかけていくうちに自分の中でも人間の存在、自己の存在に対する漠然とした考えが膨らむのが分かる。やはり、伊藤計劃の作品はとても刺激的だ。
苦しく思うのは、著者がこのコンセプトをどのような状況の中で生み出したのかを容易に想像できること。人智を超えた作品を生み出すには、痛々しく生々しい苦しみが必要なのか。次回作が生まれないことが本当に残念。

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